LDKをご存知ですか。
間取りの話ではなく雑誌です。
広告掲載を一切載せず、スポンサーに媚びない誌面作りをしています。
「テストする女性誌」というのがこちらのキャッチコピー。
朝ドラ「とと姉ちゃん」ばりの商品試験をして、現代女性を本当のことを知りたい!という欲を満たしてくれます。
そんなLDKからファッション版のムック本であるLDK the Style 2017 が登場していたので、早速チェックしてみました。
辛口には中辛で対応
「プチプラ服選びが変わる辛口ファッションバイブル」
そう自ら仰っているので、¥680払った者として失礼を承知で正直に感想を書こう。
数ページめくってすぐに気がつきます。
あれ、なんか...全体的にダサい。
醸し出されるもの
おしゃれでもないくせにたいっへんおこがましいけど、そんなくらため比でもちょっとダサい。
決定的にこれが理由で、というものはありません。
商品セレクト、コーディネート、モデルさん(ごめんなさいごめんなさい)、ヘアメイクがなんだかちょっと前風味なのです。
もっというと、紙質や写真の色の加減からはどうも地元のスーパーのチラシ感、あるいは女性週刊誌感がじわじわと。
スポンサー料も発生していないから服を良く見せようという義理もなく、周到な加工もないまま使われているのでしょうか。
早い話、イモ臭いのです。
やたらリアル
商品は手に入りやすいナショナルチェーンやファストファションのものが中心。その中からいかに価値あるものを選ぶかという提案がなされています。
そしてこの雑誌は教えてくれます。
今の私のファッションもこの感じだ。
手軽な服を手軽に着ると、どう頑張ってもこの程度の仕上がりなんだ。
商品の良し悪し以上に、その現実が胸に響きます。
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あのブランドもぶった斬り
これは価値がある、これは買ってはいけない。そうバサバサ切り捨てる様子は読んでいて気持ちが良いです。
面白い商品紹介もありました。
例えば「UNIQLO(ユニクロ)のデニムはメンズを買え!」「GU(ジーユー)のデニムは買ってはいけない」というデニムページ。
これは2016年9月号の追記のような内容で、ユニクロのレディースの品質が悪いと言い放っています。ウルトラスキニーデニムなんてメッタ斬り!
言われてみればニットやTシャツなど近年のヒットアイテムはメンズが多い。
絶賛のメンズのセルヴィッチデニムも良さそうです。サイズ展開がウエスト68cmからですが、ぴったりならいい買い物でしょう。
一方のジーユーのデニムは「大人が履いてはいけないもの」の筆頭として挙げられ、購入したばかりの我が姉を憤慨させていました。ふふふ。
モノによっては「たしかにこれは学生までだな」と思うものもあり、あながち間違っていないですね。
225品を自腹で買って試すという本気企画だけに、内容そのものは的を得ているものも多く、言い切るのも清々しい。
表紙だけでも結構そそる内容に、思わず手に取りました。
そう言われましても
ですが、ですが
画像や文章がややずさんな印象でファッション性を感じないため
あたなに言われましても (´-`).。oO
という思いがところどころで芽生えて拭えません。
「こう選べばお洒落になるから恥ずかしくないわよっ」とのドヤに、それよりも目元のメイクを今風にナチュラルにしてはどうかかなどとエラそうにも突っ込みたくなってしまうのです。
品質への一途なこだわり
見返り(広告費)を求めないことで真実が書ける。
真面目な方々が作っているんだろうなと思います。商品セレクトと文面に堅さと誠実さが溢れ出ているし。
品質目線でのモノの評価が気になる方や、安くていいものを長く使いたいタイプのミニマリストには参考になると思います。
ユニクロや無印など、持ってる!というものが出てきたりしておもしろいですしね。
わくわくしたい
読んでいて、きれいだな、これを着てみたいという感情の動きがない。
作り手にその意図がないから当然なのに、「The Style」というタイトルに期待してしまったんですよね。
モノの持ち方・選び方の参考にはなるけど、スタイルの参考になるかというと疑問です。
モデルが着てプロが撮ってもこの感じ。くらためレベルがこの服を着用したら目も当てられない!ファストファッションだけでは年齢的にだめだという発見はありました(焦)。
服そのものの魅力、秀逸なスタイリングやモデルの表現力、企画やテキストの面白さ
スタイルブックやファッション誌の世界観は、その積み重ねで作り上げられるからこそ。暮らし自体が地味だからこそ、本や雑誌でぐらいはわくわくしたいし、ときめきたいです(笑)。
そういう意味でこのジャンルは、広告費が発生しているかどうかなんて読み手には関係ないのかもしれません。
家電や食べ物の選び方とはひと味違うんですよね。
オシャレの奥深さを想うとなんだか気が遠くなるのでした。